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管理職登用試験の目的と手法・実施にあたっての注意点とは?

2024年02月18日 NMATの活用 管理職登用

社会の不確実性が増し、複雑化・多様化が進む中で、管理職に求められる要件も変化しています。
これまで実施してきた管理職登用試験について、「このままでいいのか」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
従来の管理職登用試験では、今後、管理職として成果を挙げられる人材の見極めが難しいことに加え、
管理職候補となる世代が昇進・昇格に魅力を感じなくなってきているということも、管理職登用をより困難にしています。
昇進・昇格選考における課題を解決するには、人事、および対象となる本人の納得感を高め、意欲を引き出すアセスメントが重要です。

本記事では、管理職試験が注目されるようになった背景や、管理職層に対する企業の課題感、
そして課題解決の一助となる管理者適性検査NMAT(エヌマット)のおすすめの使い方を解説します。



管理職登用試験の役割と候補者自身にもたらす効果

管理職登用試験は、年齢や勤続年数のような属性ではなく、潜在的な能力や資質を含めて管理職への適性を見極めるために行うものです。管理職登用試験を経て人材を登用することで、バイアスのない正当な評価により選出されたという公平性や納得感を、人事、および本人、周囲の従業員に与えることができます。

また、管理職登用試験を通じて事業に対する意識や視座が高まる、自己理解が深まるなど、候補者自身の成長機会につながることも、管理職登用試験がもたらす効果のひとつとして注目されています。

一般的な管理職登用試験の内容 

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管理職登用試験には、下記に挙げるような、業務に必要な専門知識を問う試験と、論文や面談、適性検査などを組み合わせて行うのが一般的です。

<管理職登用試験の主な内容>

  • 専門知識に関する試験
    業務を行う上で、知っておかなければならない専門知識や業務内容に関する試験を行い、知識量を確認する。
  • 論文
    提示した課題に対する意見を論文形式で提出させ、課題発見力や課題に対する視点、論理的思考力などを見る。
  • 経営者や役員との面談
    面談での会話を通じて、管理職へのモチベーション、責任感、部下を育成する能力、ストレス耐性など、管理職としての素養を確認する。
  • 適性検査
    適性検査の、一般常識や基礎学力、思考力を測定する「能力検査」と、性格の特徴を測定する「性格検査」を利用し、受検者のポテンシャルを可視化する。

 

管理職層に対する企業の課題 

管理職に必要な要件を満たした人材を登用するために行われるのが管理職登用試験です。しかし、試験を通過して登用された管理職であっても、企業が「期待に応えていない」「物足りない」と感じる場面があります。
企業が感じる課題には、以下のようなものが挙げられます。

<企業が感じる課題>

  • 管理職としての能力、専門性が不足していて活躍できていない
    業務を遂行する能力や、問題解決につながるだけの知識・技術、さらには部下の統率などのマネジメント能力が不足していると、企業は「評価に値する活躍をしていない」と感じます。
  • 管理職としての環境変化に対応できていない
    プレイヤーから管理職に変わると、当然ながら求められる成果も変わります。これまでのように自分の成績だけを追うのではなく、視野を広げてチームをまとめ、部下の成績が上がるようサポートしていかなくては組織としての成果につながりません。

自身を取り巻くこうした環境変化に対応できず、なかなかプレイヤーの視点から脱することができない管理職に対して、企業が課題を感じることは多いようです。

管理職層の活躍と環境適応に必要な要素とは?

管理職層に対する課題を解決し、管理職に登用された人材が成果を発揮するには、周囲の理解と、昇進・昇格者自身の自己理解が不可欠です。この2つの要素について解説します。

昇進・昇格者に対する周囲の理解

管理職層の活躍と環境適応に必要な要素のひとつは、昇進・昇格者に対する周囲の理解です。新たに管理職となった人材を放置せず、課せられた役割において独り立ちできるように周囲が理解し、支援します。
例えば、経験豊富な上司がロールモデルとなって進むべき道を示しつつ具体的なアドバイスをすることで、昇進・昇格者の不安や迷いの解消に努めます。

また、所属したことのない組織を管轄することになった場合、職務理解が不足している可能性もあるかもしれません。前任者が後任に引き継ぎをする期間を十分に設けることや、部長などの上位役職者が管轄組織の役割や職務の内容、チームメンバーの特性について情報提供を行うなどの対策が有効です。

昇進・昇格者の自己理解

管理職層の活躍と環境適応に必要な要素として意外と見落とされがちな部分ですが、昇進・昇格者自身の自己理解もとても重要な要素です。

管理職になると、プレイヤーから役割が大きく変化します。管理職としての自分の強み、弱みを含めた特徴や指向を把握し、自身の課題を客観的に認識することができなければ役割の変化に適応していくことが難しくなります。

まずは、昇進・昇格の候補となった時点で自己理解を深め、管理職としての課題を把握した上で必要な学習や行動につなげられるよう導くことが大切です。

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「管理者適性検査NMAT」納得感の高い昇進・昇格につながる適性検査

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リクルートマネジメントソリューションズが提供する「管理者適性検査NMAT」は、管理職の昇進・昇格に必要な「妥当性」「公平性」「納得感」を担保する適性検査です。管理者適性検査NMATを使うことで、管理職登用試験の納得性を高めるほか、候補者の自己理解を助けることができます。管理者適性検査NMATのおすすめの使い方は、大きく3つあります。

 
1 昇進・昇格する対象者の、資質の見極め

現代の管理職候補者は、組織の年齢構成がいびつであるなどの理由で、満足なリーダー経験を積めていないケースが少なくありません。そのため、過去の経歴だけではマネジメントへの指向の強弱や適性を見極めることが困難です。

管理職候補者に対して管理者適性検査NMATを実施することで、候補者の特徴を客観的に捉え、印象や現場での評判に頼らない、「今」の資質と「これから」の可能性を見極めた登用判断をすることができます。

また、プレイヤーとしての成果だけでは見落としがちな適性、さらには本人のキャリア観などをつかみ、ともすれば埋もれてしまう人材をすくいあげて適切な配置につなげることもできるのです。

2 本人の自己理解を深める

管理者適性検査NMATの、適性や指向、保有している能力などに関する結果を本人に返すことで、自分でも気づいていなかった強みや、キャリア観などに気づき、キャリアプランを見直すきっかけになります。

意識変化が起きて主体的に部下の面倒を見るようになったり、より積極的に職務に取り組むようになったりといった効果が期待できます。

3 人事と本人、両方の納得感を高める

人事と候補者、双方に納得感がある昇進・昇格判断を行う方法として、管理者適性検査NMATを活用します。具体的な方法としては、人事が候補者の資質を理解する「1」の使い方と、候補者自身の自己理解を深める「2」の使い方の両方を実施するのです。次に挙げるとおり、人事と候補者、双方の納得感につながります。

  • 人事の納得感が得られる
    管理者適性検査NMATの結果によって「なぜ、この人なのか」という根拠が明確になります。人事は、それまで担当者の経験や主観によって判断していた部分を、検査結果という根拠に置き換えることができるようになるため、納得感を持って人材を選抜でき、経営や社員に対しても根拠を持って説明ができるようになります。
  • 候補者の納得感が得られる
    これまでプレイヤーとしてやってきた人の中には、特定の分野や領域に特化して専門性を追求するスペシャリストとしてのキャリアを目指す人が少なくありません。管理者適性検査NMATによって、候補者自身が隠れた適性を知ることで、他者が自分を管理職に推薦してくれる理由に納得し、新たな持ち味を発揮する場所として管理職を前向きに捉えられるようになります。

人事と候補者の納得感を引き出し、管理職試験の有効性を高めよう

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管理職への昇進・昇格は、管理職登用試験を企画・実行する人事担当者と、試験を受ける候補者、双方の納得感を得た上で行うことが成功の秘訣です。

管理者適性検査NMATは、将来の管理職としての活躍度合いを予測できることが科学的に証明されており、受検者の基礎能力や性格的特徴、指向を高い精度で捉えることができます。管理者適性検査NMATを活用することで、「妥当性」「公平性」「納得感」の高い管理職登用試験を実施することが可能です。

その人材を「なぜ選んだのか」「なぜ選ばれたのか」がわかる管理者適性検査NMATを活用し、管理職登用試験の有用性を高めることに役立ててください。

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